怖い下肢静脈瘤は日帰り手術で治す
実は40代〜50代の男性に多い
脚の静脈に血液がたまって、脚がむくんで痛み、外見もボコボコして見た目も悪い。これが下肢静脈瘤の典型的な症状だ。
この病気は女性に発症しやすいとみられていたが、40〜50代の男性患者も多いことが分かってきた。血管外科が専門で、下肢静脈瘤の日帰り手術を手掛ける「北青山Dクリニック」の阿保義久院長に聞いた。
量販店に勤める40代男性Kさんは、数年前からふくらはぎが張るようになり、2、3カ月前からは血管がコブのようにぼこぼこと浮き上がってきた。脚が重く、体を動かすのがつらいこともあって、マッサージに通ってみたが、症状は改善しなかったという。
「下肢静脈瘤は、静脈内の血液の逆流を防ぐ弁が破壊され、血液が逆流して発症します。放っておくと症状は進行し、最悪の場合、皮膚に潰瘍ができて、皮膚の一部が欠損する恐れもある。潰瘍ができてから治療しても、皮膚は元通りにはなりません。静脈には深部静脈と表在静脈があり、深部静脈にできた血栓が飛散して肺動脈を詰まらせると、肺塞栓で命を落とす危険さえあります。早期発見、早期治療が重要なのです」
これまでの治療法は、2週間ほどの入院がネックとなり、治療を先延ばしする人が多かった。しかし、阿保院長は日帰り手術を開発し、積極的に早期治療を行っている。
「日帰り手術を導入した当初は、男性は5人に1人でしたが、最近は3人に1人が男性です。入院期間の休暇を取れなかった人が、日帰り手術をキッカケに治療を受けるようになったのでしょう。こうしてみると、潜在的な男性患者は多く、40代以上の10人に1人は下肢静脈瘤になっている可能性があります」
下肢静脈瘤のリスク要因は、営業マンや店舗販売員など立ち仕事が多い人、親族に下肢静脈瘤の発症者がいる場合、加齢などだ。こうしたリスクに加え、血管が浮き出る、だるく疲れやすい、脚がつる、脚がむくむなどの症状が見られたら要注意。そこで気になる日帰り手術だ。
「逆流している静脈を部分的に抜き取る手術がストリッピング術です。深部静脈が正常に機能していれば、逆流した表在静脈を切除しても、血液循環に影響はありません。レーザー治療は、これに代わる手術で、静脈の内腔にファイバーを通して行う。こちらも静脈を切除しますが、ストリッピング術より痛みが少なく、傷あとも目立たないのが特徴です。いずれも手術時間は1時間ほどで、術後は、歩いて帰宅できます」
ストリッピング術の症例数は約2000で、レーザーは約300。保険が利くストリッピング術は5万円〜で、保険が利かないレーザー術は15万円〜。民間の医療保険の手術給付金などでカバーすれば、レーザー治療でも自己負担はそれほど重くない。治療せず放置している人は、日帰り手術を考えてみてはどうか
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