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かぜ症候群
なんとなくからだがだるかったり、寒けがしたり、のどや鼻が乾いた感じが1日ぐらいつづいた後で、今度は本格的にのどが痛くなり、鼻水が出るようになったり、逆に鼻が詰まったりという症状で、いわゆるかぜが始まります。ほとんどはこのままで治ってしまいますが、なかにはせきが出たり、白っぽいたんが出たりするようになります。炎症が上気道(鼻、のど)から下気道(気管支)のほうに下がってきた証拠です。さらに熱が出たり、頭痛がしたり、小さい子どもではおなかが痛くなって、吐いたり、下痢をしたり、という全身症状が加わることもあります。

かぜのおもな原因はウイルス感染


それでは、かぜの原因は一体何かということになりますが、どうやらウイルスに感染することが、もっとも多い原因(かぜの原因の90〜95%)であることがわかってきました。ウイルスという微生物は、人の病気の原因となる微生物の中でもっとも小さい存在です(核酸とそれを取り巻くカプシド、およびエンベロープと呼ばれる外被だけから成り立っています)。そのため、自分自身が生きていくため、あるいは増えていくために、必要な物質を独力でつくることができず、細菌や動物の細胞に寄生して増えます。

かぜとかかわりの多いウイルス


かぜの原因となるウイルスもさまざまで、200種類以上にも及ぶこともわかってきました。その中でも、ピコルナウイルスと呼ばれる仲間のエコーウイルスやライノウイルスが、かぜの原因となる頻度がもっとも高いとされています。そのほか、RSウイルスと呼ばれるウイルスは、大人にはかぜを引き起こすだけですが、乳幼児がこのウイルスにおかされると、細気管支炎[さいきかんしえん]や肺炎を起こす危険性があります。ライノウイルスによる場合は、大人ではかぜにとどまることが多いのに、子どもでは炎症が上気道だけにとどまらず、気管支炎にまで進むことがあります。

インフルエンザウイルス(A、B、Cの3つの型がある)もかぜの原因となります。この場合には高熱、頭痛や筋肉痛などの全身症状のほかに、肺炎など、単なるかぜよりずっと重い病態に陥ることがままあるので、別に項目を設けて解説します。

パラインフルエンザウイルス感染によるかぜのときには、子どもと大人では病像がかなり異なります。子どもでは鼻炎、咽頭炎[いんとうえん]のような上気道の炎症のほか、細気管支の炎症を起こすこともあるのに対し、大人ではほとんどの例で、上気道炎を起こすだけです。

以上のほか、かぜに関連するウイルスとして、アデノウイルス、コクサッキーウイルスなどが知られています。

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