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豆腐ようを知ってますか?


沖縄の伝統食に「東洋のチーズ」と呼ばれる食べ物があると聞いた。「豆腐よう」というそうだ。

 豆腐ようは、約3センチ角の灰白色のサイコロ形で、少しとろみのある赤いソースのようなものがかかっている。近年の沖縄ブームで、食べたことのある人は多いかもしれない。
ねっとりとやわらかく、泡盛の香りの中に、確かにチーズのような芳醇(ほうじゅん)な味わいがある。

 酒の肴(さかな)として、ちびちび食べるものだ。いわゆる珍味。泡盛に漬け込んだものだから、酒に弱い人は豆腐ようで酔っぱらったりする。

 沖縄県浦添市にある豆腐よう製造大手「紅濱」販売部長、下地雅人さん(53)によると、豆腐ようは、島豆腐(沖縄独特のかための木綿豆腐)の水分を抜いて、泡盛、紅麹、黄麹でつくった漬け汁に3〜4カ月漬け込んで作られる。麹の作用で豆腐の大豆タンパクが分解され、グルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸が生成し、うまみが出てくるのだという。

 「紅麹は温度管理が難しくて、沖縄の気温では菌が出す熱で死んでしまうんです。子供を育てるのと同じように、大事に大事に扱っています」

 豆腐ようは一体どうやって生まれたのだろう。琉球大名誉教授、尚弘子さんが監修した『沖縄ぬちぐすい事典』(プロジェクトシュリ)には、その起源は「中国にも腐乳(ふにゅう)という似た食べ物があることから、豆腐の保存食として一八〜一九世紀の初めごろ、中国から琉球に伝わったとされる」とある。

 確かに豆腐は腐りやすい。腐乳は豆腐を塩漬けにして発酵させた保存食で、そのままでは塩辛すぎるため、おかゆなどと一緒に食べられている。塩の代わりに泡盛を使うことを思いついたのが、沖縄の人々の大発見だった。


 豆腐ようが一般に食べられるようになったのは、沖縄でもこの10年あまりのことだという。

 腐乳から豆腐ようが誕生した時代、酒自体が貴重品で庶民の手には入らなかった。つまり豆腐ようも貴族階級の食べ物だったのだ。琉球王朝がついえた後も、首里の城下町の家々で秘伝として作り方が守り伝えられた。

 今から約20年前、琉球大が中心となって、沖縄の伝統食を特産品として産業化すべく研究が行われた。豆腐ようも研究対象のひとつで、世界中から約100種の紅麹を集め、さまざまな史料をもとに、豆腐ようを作り出すことに成功した。

 「紅濱」では、赤い色素を出さない紅麹の変異株を使った「白い豆腐よう」や、黄麹の配合を増やしてマイルドにした「ピンクの豆腐よう」も生産している。

 また動物実験では、豆腐ようには血圧やコレステロール値を下げる効果があることも分かってきているという。守られてきた味は、新たな時代を迎えつつある。(



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