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体の震え

手指や下あご、頭など震える

 あまりの寒さに体が震えた。そんな経験はだれにもあるが、「震え」が重大病によって引き起こされていることがあるというのだ。どんな症状だと、ヤバイのか。国立精神・神経センター武蔵病院の久野貞子副院長に聞いた。
 Kさん(35歳)は課長昇進後、「結果を残さなければ」という思いが強まり、会議のたびに緊張して手指が震えるようになった。
「震えには、寒さやストレスなどによって起こる生理的震えと、病的な震えがあります。Kさんのような生理的な震えは基本的に治療の必要はありませんが、仕事に支障がある人は薬で症状を抑えることが可能です」
 薬は、アドレナリンをブロックするβ遮断薬や精神安定剤などが処方され、症状が出ると困るときだけ飲む。効果は1〜2時間で表れ、半日程度持続するという。
 病的な震えはどうか。「震え以外の症状があるかないか」がポイントだという。
「震えだけの場合は“本態性振戦”といいます。安静時は何ともなく、筆記や食事など動作中に震えて、ストレスで症状が悪化します。症状が出るのは、手指や頭、下あご、舌など。頻度は1秒間に4〜10回で、半数は遺伝が影響しています」
 症状は薬で抑えられる。日常生活に影響がなければ治療しなくてもいいが、飲酒には気をつけたい。
「本態性振戦は飲酒で改善しますが、だからといって飲み続けると、今度は慢性アルコール中毒による禁断症状で震えが出ることがあります」
 震え以外にも症状がある代表的な病気がパーキンソン病。加齢で有病率が上がり、高齢者は100人に1人。難病でも、そんなに珍しくない病気なのだ。
「パーキンソン病は、本態性振戦とは逆に、安静時に左右どちらかの手足が震えるのが特徴です。この病気が怖いのは、進行性という点。震えのほか筋肉のこわばりや緩慢な動作、歩行時のふらつきなどがあり、最終的にはひとりで歩けなくなる。だから症状を見逃さず、早期発見が重要なのです」
 最近は、薬で15〜20年は症状を抑えることができるし、脳深部刺激療法という外科手術も可能。「手術で震えがとまったという報告もある」という。
 病的な震えは、他にもある。
「甲状腺機能亢進症になると、腕を前に伸ばすと左右の手が小刻みに震え、発汗や動悸、疲労感などの症状もあるのが特徴。多発性硬化症は、鼻に指を近づけると震えます」
 前者は血液検査で、後者はMRIで診断がつく。診断されたら、それぞれの病気を治療することになる。
 病気ごとの震えの違いを見極めるのは簡単ではない。
 気になる人はすぐに神経内科などの専門医を受診するのが賢明だ。


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