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自慰行為――つまりマスターベーション、一般的にはみんながオナニーと呼んでるものだが、先日、このオナニーについて驚くべき研究結果が報告された。いわく「自慰行為を多くする人は、しない人より前立腺がんになる可能性が低くなる」というのである。ん? なんかウソくさいって? いやいや、これは豪州メルボルンにあるビクトリアがん研究所のグレイアム・ザイルス博士という人が、イギリスの科学専門誌『ニューサイエンティスト』のインターネット版に発表した立派な研究報告で、博士によれば、頻繁に射精することによって発がん物質が前立腺に蓄積されるのを防ぐ役割を果たすというのだ。 実際、ザイルス博士は1079人の前立腺がん患者と健康な1259人を対象にちゃんと調査を行っており、特に20代の場合、毎週5回以上射精した人は、射精の少ない人より前立腺がんにかかる危険が約3分の1ほど低いことがわかったという。 だとしたらまさに画期的。というのも最近急激に患者数が増え、今後男性のがんの中でもっとも死亡数増加率が高まると予測されるのが前立腺がんで、しかも従来の通説では性行為の頻度が高い人ほど前立腺がんになりやすいといわれていたからだ。 もっとも、コトは前立腺がんになるとかならないだけではない。そもそもオナニーに対しては昔から風当たりが強かった。中世ヨーロッパではキリスト教の道徳観の下、オナニーを「自涜」と呼んで罪悪視していたし、医学分野でも有害性を指摘する学者が結構いたのだ。イギリスのある病理学者は、オナニーが生殖器の萎縮や心臓発作などの原因になるとまで主張している。 つまり、今回の研究はそういう意味でも画期的というわけだ。なにしろオナニー有益説もあるにはあったが、ここまで肯定的な学説となると初めてに等しいのである。 若者諸君、オナニーは罪ではない。眠れない時、ヒマな時――、これからは思う存分オナニーしてもいいのだ。


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