足の冷え・しびれ・マヒで疑われる重大病


　風呂で温まったのに、足先が冷たい。これを単なる冷え性だと軽く見たら、大間違いだ。足の冷えやしびれは重大病のサインの場合があり、見過ごすと取り返しがつかなくなることがある。聖路加国際病院・元内科医長で「西崎クリニック」院長の西崎統氏に、症状別に考えられる病気と対処法を教えてもらった。

●足が冷え、しびれる→閉塞性動脈硬化症
「運動不足などで一時的な血行不良で足が冷える場合もありますが、慢性的な足の冷えやしびれは、血管の動脈硬化が進んだ証拠。閉塞性動脈硬化症の可能性が高い。高脂血症や糖尿病などの影響で血液がドロドロになり、足の動脈に血栓ができ、それより足先の血流が滞って、足が冷える（ステージ�T）のです。悪化すると、歩行中にふくらはぎなどが痛み、休憩を挟むようになる（同�U）。さらに動脈硬化が進むと、安静時も痛み（同�V）、最悪の場合、足の一部が壊死します（同�W）」
　高脂血症や糖尿病などの人は、内科や血管外科などで足の脈拍や血圧を調べて、閉塞性動脈硬化症の診断を。ステージ�Uまでなら薬で治療できる可能性が高いが、�Vはかなりの可能性で手術、�Wは足の切断だ。

●冷え、しびれに腰痛もひどい→脊柱管狭窄症
「恐らく脊柱管狭窄症でしょう。脊髄の神経が圧迫されて腰が痛むほか、その神経の影響で尻や下肢に痛みやしびれの症状が出るのです。脊柱管狭窄症を治療すれば、腰はもちろん足の症状も解消します」
　整形外科へ。重症の人は手術が必要になることも。

●感覚マヒ、傷が治りにくい→糖尿病精神経障害
「糖尿病の合併症のひとつである神経障害が濃厚です。神経障害がひどいと、温度や刺激に対する感覚が鈍くなり、たとえばストーブでやけどしても、気がつきません。目で見て気づいたときには傷口が化膿し、壊死していたというケースも少なくないのです」
　糖尿病の人は内科などで持病が悪化していないか検査を。

●片側の手足がしびれ、頭痛も→脳梗塞
「左右いずれか一方だけの手足が冷えたり、しびれたりして、頭も痛むのは、脳梗塞の典型的な症状です。一過性脳虚血発作（一時的な脳梗塞）といって、ほんの数分で症状が消える場合もありますが、絶対に放置してはいけません。ＭＲＡなどの精密検査をして、すぐに治療をすべきです」
　一過性脳虚血発作を起こした人の３人に１人は本格的な脳梗塞を発症。そのうち半数は、一過性脳虚血発作から１年以内だったというデータもある。
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　足の症状も、その原因はさまざまだ。まずは原因を突き止めることが先決だ。


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