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特発性間質性肺炎[とくはつせいかんしつせいはいえん]

肺に特徴的な捻髪音[ねんぱつおん]が聞こえる
原因不明のびまん性間質性肺炎[せいかんしつせいはいえん]で、まれな病気です。中高年者に多く、男女比は約3対2で、頻度は人口10万人当たり約3人です。

初発症状は一定していませんが、多くはからせきと体動時の息切れがしばらくつづくことで医師を受診するようです。急性型ではこのほかに発熱、関節痛、まれに皮疹[ひしん]などを認めることもあります。一方、症状がほとんどなく、健康診断などで発見されることもあります。

診断は通常、次の手順で行われます。まず、聴診で肺野[はいや]に特徴的な捻髪音が聞かれます。指先が太鼓の“ばち”のようにふくらむばち指もしばしば認められます。

胸部X線を撮ると、両側下肺野から側肺にかけての胸膜下[きようまくか]に細粒状あるいはすりガラス様のびまん性(広がった)陰影がみられます。また、肺野の縮小も比較的初期から認められます。

呼吸困難とともに動脈血中の酸素濃度が低くなり、肺活量などが減少してきます。

確定診断は肺生検で得られますが、病気の進行度を知り、治療方針を決めるには気管支肺胞洗浄検査と高分解能CTも役に立ちます。

治療には、副腎皮質[ふくじんひしつ]ホルモン薬や免疫抑制薬が用いられます。

療養上の注意
病気の経過を悪くするので、感冒[かんぼう]などの肺感染症にかからないようにすることが第一に挙げられます。

ほかの医師から別の病気で薬を処方されている場合は、その薬を継続して用いてよいか相談したほうがよいと思います。

食事の注意は特にありませんが、喫煙はいけません。

慢性の呼吸困難に対して、進行例では在宅酸素療法を行うこともあります。動作や仕事は、呼吸が苦しくない程度にするように努めます。



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