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お年寄りのかぜ:高齢者肺炎


よく、かぜは万病のもとといわれます。かぜをきっかけに、お年寄りが肺炎にかかると、重症に陥りやすく、死亡の原因にもなりやすいものです。そこで、特に高齢者肺炎という名前で呼ばれ、青壮年の人たちにみられる肺炎とは区別されています。

お年寄りのかぜの特徴
第1に挙げられるのは、なんといっても症状に乏しいということです。かなり重症のウイルス感染があっても、平熱に近いことがしばしばあります。また、お年寄りは、肺気腫[はいきしゆ]*をはじめとして、古い結核の後などさまざまな肺の病気をもっていることが少なくありません。そのため、常日ごろから、せきやたんが出ていることが多く、かぜでこうした症状が強まっても、本人も家族も気づかないでいることがあります。かぜをこじらせて、細菌による二次感染が起こり、気管支炎から肺炎に進んだのにも気づかなかったという極端なこともありえます。

肺気腫
肺が弾性を失い、伸びきったような状態になっている病気です。

お年寄りのかぜ、家族が注意すべき点
お年寄りがかぜをきっかけに肺炎にまで進んでしまった場合の見分け方は難しいものです。

【食欲のありなしが何よりの目安】
これは特に家族が知っておきたいことですが、食事をいつものようによく食べるかどうかが大事な目安です。要するに、お年寄りが、かぜの後で、なんとなくいつもに比べ元気がなく、せき、たんがふだんより多めで、床につく時間が長くなり、食事の量が目に見えて減ったというときは要注意です。なるべく早く医師の診察を受けるべきです。

お年寄りの肺炎が治りにくい理由
お年寄りがかぜをこじらせた後に肺炎を起こした場合、抗生物質や抗菌薬を用いて化学療法を行うわけですが、若い人の肺炎のように、すんなりいかないことが往々にしてあります。その理由は実にさまざまですが、大ざっぱに分けて次の4つになります。

【老化による肺機能の低下】
第1は、お年寄りの肺そのものに問題があるからです。前にちょっと触れましたが、お年寄りの肺は加齢そのものが原因で、気腫化[きしゆか](肺気腫[はいきしゆ])を起こしてふくらみがちで、息を吐き出すときに縮む力が低下しています。そのため、誤って肺に落ち込んだものや、気道内にたまった分泌物[ぶんぴつぶつ]を、せきをすることによって排除することがうまくいきません。また、気道内の小さな異物や分泌液を外に送り出す線毛のはたらきも、お年寄りでは低下しており、せき反射との共同で、気道内落下物などを押し出す能力が落ちています。そのため、お年寄りでは、食物や胃液などを気管や肺に誤って嚥下[えんげ]して起こる誤嚥性肺炎[ごえんせいはいえん](嚥下性肺炎[えんげせいはいえん])が増加することになります。これはなかなか治りにくい肺炎ですので、食後1時間ほどは、あお向けにならないよう注意が必要です。

【全身的な抵抗力の低下】
第2の理由は、全身的要因と呼ばれるものです。お年寄りのかなりの人が低栄養状態にあることが知られており、こういう人たちでは感染に対する抵抗力が落ちています。

【複数菌への感染】
第3の理由は、肺炎の原因となる細菌の種類の問題です。抵抗力の衰えたお年寄りでは、1種類の細菌だけでなく、2種類以上の細菌による感染が起こってくる可能性が大きくなっています(複数菌感染)。複数菌感染の場合には、治療にあたっても特別の工夫が必要となります。つまり、2種類以上の細菌のどれにも有効な抗生物質や抗菌薬を選ぶ必要がありますし、このような薬剤を組み合わせて治療しなければなりません。したがって、副作用が出てくる可能性も大きくなります。

【薬物の吸収・代謝・排泄能力の低下】
第4の理由は、薬剤と生体との関係です。お年寄りでは、抗生物質の腸管からの吸収の効率が、青壮年の人たちに比べ、低いことが知られています。この点を配慮して、お年寄りの肺炎に対しては、点滴静脈注射などで抗生物質が投与されることが多いのです。しかし今度は、別の問題が起きてきます。からだの中に入った薬物は本来のはたらきを終えた後、肝臓で分解されるか、または腎臓のはたらきで尿中に排泄されてしまうわけです。

ところが、お年寄りの場合には、この排泄機構がうまくはたらかないため、一種の異物として体内に残留する危険性が高まっています。このために副作用が起こりやすくなります。要するに、お年寄りでは、薬剤の吸収、あるいは代謝、排泄のいずれもがうまくいかなくなっていることが多いのです。




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