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慢性疲労症候群

原因は明らかになっていない
CFSとは、これまで健康に生活していた人に原因不明の強い全身倦怠感[ぜんしんけんたいかん]、微熱、頭痛、筋肉痛、精神神経症状などが起こり、長期にこの状態がつづいて健全な社会生活が送れなくなるという病気であり、CDC(米国疾病対策センター)により1988年に提唱された比較的新しい疾患概念です。

1999年、厚生労働省研究班(旧厚生省、班長:木谷照夫)が一般地域住民4000名を対象に疲労に関する疫学調査(有効回答数3015)を行ったところ、59.1%の人が疲労を感じ、その半数の人では疲労が半年以上つづくかくり返していることが明らかになりました。慢性的な疲労を感じている人の半数近くの人では自覚的な作業能力が低下しており、CFS診断基準に該当する人も8/3015人(0.27%)認められました。

1979年に行われた「体力・スポーツに関する世論調査」では、「よく疲れる」と「ときどき疲れる」と答えた人の割合は1999年の調査と同様に61.9%認められていますが、「一晩眠れば、翌日は疲れがとれますか?」の問いに対しては58.9%の人が「回復する」と回答しており、この20年間で明らかに疲労の質が変わってきていることがうかがえます。

2000年、厚生労働省の調査と同一地域の医療機関受診患者2180人を対象に疲労の調査を行ったところ、45%の患者さんで慢性的な疲労が認められましたが、そのうち医師が病名を特定できていたものは約4割に過ぎず、残り6割の患者さんは単なる過労か原因不明の慢性疲労と診断されていました。したがって、原因の明らかでない慢性的な疲労の診療はプライマリケアを担っている医療機関においても重要な課題であるとともに、CFSを含めた原因不明の慢性疲労は医学的観点のみならず経済的損失という観点からも大きな社会問題となってきています。

診断の基準がある
CFSと診断されるのには、(1)激しい疲労感のため月に数日は会社や学校を休まざるを得ないような状態が半年以上持続するかくり返していること、(2)医師の診察を受けて明らかな疾病が見つからないことが必須です。

また、診断基準において小基準の「症状基準8項目」以上か、「症状基準6項目+身体所見基準2項目」以上を満たす必要があります。CFSとの鑑別すべき疾患としては、悪性腫瘍、自己免疫疾患、急性・慢性細菌感染症、HIV感染症、慢性炎症性疾患、神経筋疾患、内分泌疾患、呼吸器・循環器・消化器などの慢性疾患などが挙げられています。

本体は脳神経系の機能障害
CFSでは慢性的な疲労感をはじめとして、多岐にわたる不定愁訴[ふていしゆうそ]が認められますが、通常の保険診療で認められている一般臨床検査では異常がみられません。しかし、決して異常がみられないわけではなく、少し踏み込んだ検査を行うと神経系、免疫系、内分泌系の異常が認められています。最近の研究により、CFSは社会心理的なストレスと遺伝的な要因によって引き起こされた神経・内分泌・免疫系の変調に基づく病態であり、その本体は異常に産生されたサイトカイン(TGF-βやインターフェロンなど)などによる脳・神経系の機能障害であることが明らかになってきています。



内科、精神科で治療する
【内科的治療】
基本的な治療としては補中益気湯[ほちゆうえつきとう](漢方薬)とビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)の投与を行っています。NK活性が低下していた症例では補中益気湯の投与により有意な回復が認められ、集中力、思考力の改善した症例も多くみられます。ビタミンB12は、睡眠障害だけでなく、脱力感、疲労感、思考力などの回復効果もみられます。また、ビタミンCは、動物実験において大量に投与すると、活性酸素などによる組織障害を減らすことが確認されていますが、臨床的にも微熱の頻度や程度が改善する症例が多くみられています。最近のポジトロンCTを用いた脳研究により、CFS症例ではうつ病態の有無とは関係なくセロトニン神経系の異常も伴っていることが明らかになってきており、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を投与した約3分の1の症例で全身倦怠感[ぜんしんけんたいかん]、筋肉痛、関節痛、脱力感などの症状の改善がみられています。なお、症状に合わせて、睡眠導入薬、鎮痛薬などの投与を行っており、多くの人は2〜3年で通常の生活が送れる程度には回復しています。



【精神科治療】
精神科における治療は、おもに?群の患者さんを対象に行います。また、CFSを疑い疲労外来を受診したが、鑑別診断のところで述べた精神科的な疾病が認められ、CFSから除外された患者さんも対象となります。治療としては、薬物療法、精神療法が中心に行われていますが、最近の報告では認知行動療法と段階的運動療法も有効であるといいます。



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