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全身性エリテマトーデス(SLE)

膠原病[こうげんびよう]の中では関節リウマチについで多い病気で、わが国の患者数は約3万人と推定されます。

診断は、米国リウマチ学会の診断基準に従って行われます。

若い女性で原因不明の発熱は注意
発病は10歳代、20歳代が大部分を占め、女性は男性の約10倍です。原因は不明ですが、マウスの実験から、遺伝的素因とウイルス感染が関与していると考えられています。また、若い女性に発病が多いことから、女性ホルモンの関与も重視されています。さらに、降圧薬など、ある種の薬によって、この病気に非常によく似た症状が起こることも知られています。

発熱は、ほとんどの患者さんにみられる症状で、若い女性に原因不明の発熱があるときは、まず考えなければならない病気のひとつです。

皮膚や関節、内臓に現れる症状
多くの臓器に障害を起こすのがこの病気の特徴で、特に多いのは皮膚、関節、腎臓[じんぞう]の症状です。皮膚では、両頬の紅斑[こうはん]が鼻のところでつながった形(蝶形紅斑[ちようけいこうはん])が特徴的です。関節炎は多発性ですが移動性で、関節の破壊にまで進むことはほとんどありません。腎炎は約半数の患者さんに認められます。

そのほか、血球減少症、中枢神経障害、胸膜炎[きようまくえん]、心膜炎などもあり、患者さんによって症状には違いがあります。

全身性エリテマトーデスは死亡率の高い病気とされていましたが、副腎皮質[ふくじんひしつ]ホルモン薬と免疫抑制薬の使い方が研究され、近年、治療成績は著しく改善されています。どのような使い方をするかは症状によって違います。腎障害や中枢神経障害が強いときは、大量の副腎皮質ホルモン薬を必要とします。治療がうまくいっているかどうかは、症状のほか、血液中のDNAに対する抗体や補体の値によって監視します。


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