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心不全(うっ血性心不全)

心臓は、心臓自体を含め、全身の内臓器官や組織に血液を送りつづけるポンプのはたらきをしています。このポンプ機能が、なんらかの原因で失調を起こし、必要な量の血液を送り出せなくなった状態を心不全といいます。全身の内臓器官は、十分な血液を得られない状態に陥ります。心臓は、できるだけ多くの血液を送ろうとするため頻脈となります。

また、静脈系を通って心臓に戻ってくるべき血液が、からだの各所に滞って、肝臓や脾臓[ひぞう]が腫大[しゆだい]してきます。さらに、血液のうっ滞によって全身に浮腫[ふしゆ](むくみ)が生じてきます。血液の滞りは、最初は足のむくみで気づきます。

また、肺から心臓に送られる血液が肺静脈にたまり、肺の組織にも浮腫が生じてきます。こうなると、肺の中でのガス交換が十分に行われない状態になり、息切れ、呼吸困難が生じ、血液中の酸素濃度が低下してきて、チアノーゼ(唇や手足、体躯[たいく]が紫色になる)になります。

また、腎臓[じんぞう]では、送られてくる血液量が少ないため、血液を濾過[ろか]してつくっている尿が十分にできず、尿量が減少してきます。それとともに、体内の代謝産物(老廃物)が尿を介して体外に排泄[はいせつ]されないため、体内に老廃物が貯留して、からだに悪い影響が出てきます。

したがって、心臓病のある人で、浮腫を生じ、呼吸困難、息切れ、全身倦怠感[ぜんしんけんたいかん]、動悸[どうき]があり、尿量減少、チアノーゼを認める場合には、心不全を考えなければなりません。

心不全の治療


重症度に合わせた治療が行われる
心不全の治療の第一は、障害されたポンプ機能を回復させることにあります。これには、まず心筋が十分に収縮して、全身の内臓器官に血流を滞りなく送ってやれるようにする必要があります。

この心筋収縮力を増加させる強心配糖体(ジギタリス)や、心臓の交感神経(心拍を速める神経)に作用するβ刺激薬、心筋内のカルシウム代謝に関与する薬剤や、心筋細胞の電子伝達系にはたらく薬剤アンジオテンシン変換酵素阻害薬がこれまで使用されてきました。さらに最近ではアンジオテンシンIIタイプI受容体ブロッカーが登場し、また心臓のはたらきすぎを是正して休ませたほうがよいという考え方で、刺激薬とは逆の作用のβ遮断薬も、そしてプロスタグランジン系の薬剤も用いられるようになりました。一方、浮腫[ふしゆ]の軽減、尿量増加の目的で利尿剤が使われます。

血液中の酸素濃度の低下に対して酸素吸入が行われ、心臓に対する負担を少なくするため、薬物による血管拡張療法もしばしば併用されます。なお、先天性心臓病や弁膜症で、外科的に修復可能な場合には、手術療法が考慮されます。さらには、大動脈内バルーンパンピング法や補助心臓による治療も発展しています。20世紀の終わりに、日本でも心臓移植が成功しましたが、その後も徐々にですが、症例数が増えてきています。


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