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上大静脈症候群

多くはがんの進行による
上半身から戻ってきた静脈血を心臓に送る上大静脈、下半身から戻ってきた静脈血を心臓に送る下大静脈に閉塞[へいそく]が起こると、独特な強いうっ血症状が現れます。

上大静脈が閉塞してみられる上大静脈症候群はいろいろな原因で起こりますが、肺がん、縦隔腫瘍[じゆうかくしゆよう]によるものが大半で、顔面のむくみ、上肢の腫脹[しゆちよう]、静脈の拡張などを伴います。多くはがんの進行によって生じ、原因疾患の治療が重要ですが、放射線療法や手術によって症状をやわらげることはできます。

下大静脈も上大静脈と同じく腎がんや肝がんなどの悪性腫瘍によるものが多いのですが、わが国では肝静脈が流入する中枢部の下大静脈閉塞[かだいじようみやくへいそく]がみられ、バッド・キアリ症候群(Budd-Chiari症候群)、下肢[かし]の腫脹のほか、腹水、肝障害など複雑な症状を示すため注目されています。先天性に膜状物がこの部分にあり、血栓[けつせん]をつくって症状は悪化するといわれています。

手術方法にもいろいろな工夫がなされてきています。


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